東京都小金井アーチェリー協会
http://www1.parkcity.ne.jp/kimuras/
審判ニュースレター #62 2004年4月事例の課題
国際審判員に出された研究事例です。
原文はFITAホームページに掲載されています。
木村が邦訳しました。
http://www1.parkcity.ne.jp/kimuras/FitaJudgeCase/Judgcasestdy.htm
審判員のグループ討議で提出された事例の訳文です。
事例1: 1標的に3選手が行射していた。 あるエンドで矢が1本見つからなかったので、紛失矢としてスコアーカードにMを記入したが、審判員には通知しなかった。 3エンド後に、マットから後方に突き出ている貫通矢を発見した。 審判員が呼ばれ、その矢を押し戻した。 点数はXであったので、審判員はスコアーカードの得点をMからXに訂正した。 この処置は正しいか?
事例1の討議
大多数の審判員は、一緒に行射した3選手が、以前に発見できなかった矢であることを認めていたので、この選手にXを与えることに同意した。 他の選手が認めているので、この判定は妥当であると考える。
事例2: ある選手が3射の行射時間終了前に行射するのが困難となった。 行射時間終了後に3本目の矢を行射したが、この矢は3mライン以内に落下した。 他の2本は9,7点であった。 どのように採点すべきか?
事例2の討議
大多数の審判員は、9,7、Mとした。 3本目の矢は3mライン以内に落下したので、行射したことにはならない。
事例3-a): 跳ね返り矢が発生した。 採点に際して、5点にノックが破損している矢と、9点にチェックマークのない的中孔が見つかった。 どのように採点するか?
事例3-a)の討議
ノックの破損は他の矢による可能性もあると考え、多くの審判員はこの矢に9点を与えた。 もし、5点がチェックマークのない的中孔で、9点にある矢のノックが破損している場合は、当然5点とすべきである。
事例3-b): ある選手の矢2本が10点に、他の1本が7点に的中していた。 10点にある1本の矢のノックが破損していた。 この選手は10点の矢のノックが破損しているので、7点の矢も10点とすべきであると主張した。 どのように採点するか?
事例3-b)の討議
全ての審判員は10,10,7とした。 当然である。
事例4-a): 10点帯の矢Aに矢Bが継ぎ矢し、どちらの矢も2本に折れていた。 矢Aの前半分はマットに刺さったまま残っていた。 矢Aの残り半分は矢Bの前半分が刺さったまま、地上に落ちていた。 矢Bの残り半分は8点に刺さっていた。 矢Aと矢Bの点数はどのように採点すべきか?
事例4-a)の討議
どちらの矢も10点である。
事例4-b): 矢Aが10点の中心の真上の8点に的中した。 矢Bが矢Aに当たって2つに折れ、前半分は矢Aに刺さり、矢Bの後半分は10点に刺さった。 どのように採点すべきか?
事例4-b)の討議
どちらも8点である。 4-aも4-bも事実上の的中が確認できる。
事例5: 或る選手が正式なスコアーカードに得点を記録するのを忘れた。 しかし別の選手が他の選手全員の得点を電子機器に記録していた。 電子機器に入力された得点を正式なものとして使用出来るか?
事例5の討議
殆どの審判員は使用できると回答した。 審判員は得点を記録するのを忘れた選手に注意を与えるべきであると回答している。
事例6: 団体戦の選手が4名の場合の事例です。 全ア連の競技規則外なので省略します。
事例7: インドアー競技会で、矢が標的に当たって音を立てて跳ね返り、その後床に当たる音がした。 的面にはマークの無い的中孔は無かった。 審判員はその矢の得点はMとした。 選手は上訴した。
この審判員の判定は正しいか?
事例7の討議
全ての審判員は、得点はMであるとした。 マークが無いのは矢が的面をはずれたことである。
事例8: 事例ではなくアンケートなので、省略します。
事例9: ある選手が競技開始数分前(休憩時間中)に射線に立ち矢を番えて弓を引き、誤って矢を発射した。 矢は10点に的中した。 審判員がその選手の所に来て、その矢は競技最初のエンドのものとして処理され、そのエンドの最高点が削除されると告げた。 採点に際して、この問題を処理するために審判員がこの標的に来た。 審判員はこの選手が2本の矢しか行射しておらず、点数は9と7であった。 審判員は得点を7、M、Mと告げた。 この選手は最初の矢は10点で、これはこのエンドの得点とすべきで、得点は9、7、Mであると主張した。 さらに、もし3本の矢を行射していれば、合計4本の行射となると主張した。
どのように判断するか?
事例9の討議
多くの議論があった。 大多数の意見はこのエンドでは2本の矢のみを行射すべきであるとしている。 この件に関しては、競技規則の記述を明確にすべきである。 審判員会は検討することになった。
事例10: 審判長が、射線の数メートル前方で全体の採点活動を見ていた時、次のことを目撃した。
選手Aが標的の後方に矢を見つけ、選手Bが自分の矢であると言ったが、選手Aはその矢を渡すのを拒んだ。
審判員の一人がその標的に呼ばれ、問題は解決されたように思われた。 選手Bは矢を受け取った。
審判長は気になり、その審判員に事情を聞いた。 その審判員は、選手Bが7本の矢を行射したとして、その標的に呼ばれ、標的に来た時にはすでに採点は終わり、矢は引き抜かれていた。 それで、その審判員は判定することは出来なかったと言った。
審判長は選手Bの所に行き、スコアーカードを調べたが、どのエンドにもMの記載は無かった。 審判長はそのエンドに7本を行射したと確信して、最高得点を削除した。
審判長の行動をどのように思うか? また、貴方はどのように処置するか?
事例10の討議
解決するのが難しい問題である。 数名の参加者は矢が引き抜かれた後では、スコアーカードの点数の変更はできないと解答している。 かなり多くの他の参加者は、競技の公平性から見て、審判長の判断は正しいと解答している。 問題の選手は、ミスをしたが、Mを記載していなかった。 審判長は判断を下す前に他の選手に状況を聞き、確認するのが良いであろう。
事例11: 審判員が拡大鏡を使用しないで矢の点数を告げた。 選手はこれを不服として、矢を標的から抜かず、審判長を呼んだ。 もし、貴方が審判長だったらどのように処置するか?
事例11の討議
多くの参加者は、審判員の判定を尊重した。 しかし、審判員は拡大鏡を使用すべきである。
(訳者註: FITA発行の審判員ガイドブックには、矢の得点確認には「拡大鏡を使用して矢の得点を判定すること」と記載されている。)
事例12: 信号灯と音響信号の操作がDOSによって手作業で行われていた。 あるエンドでDOSは誤って10秒早く赤色信号灯を点灯させた。 ある選手は最後の矢の行射を中止した。 しかしDOSは10秒後(4分の行射終了時)に行射終了の音響信号を出した。 選手は審判員を呼んでこの事情を訴え、最後の矢の行射として40秒を要求した。
事例12の討議
全ての参加者はこの矢の行射に40秒を与えると回答した。
事例13: 競技会中に、ある審判員がアンカープレイトにプラスティック製の大きな台を付け、それを首に押し付けて行射しているのを発見した。 審判員はその選手に、この装置は支持装置を付けているので、規則違反であると言った。 しかし選手は弓具検査ではこのアンカープレイトの使用は許可されて使用しているので、競技途中で別のものに取り替えるのは不当であると言った。 弓具検査の審判員は競技規則には、アンカープレイトの形についての規制はないと言っていた。
事例13の討議
a) この装置は競技規則違反である。
b) この装置が競技規則違反であると判明したら、他の選手に公平であるために、この用具の交換を要求すべきである。
a) 貴方は弓具検査の審判員の見解に同意するか?
b) 貴方はこのアンカープレイトが競技規則違反であると判ったら、すでに弓具検査で許可されたこのアンカープレイトの使用中止を求めるか?